五色の散り椿



豊臣秀吉が伏見城築城の際、 各地から集めた茶花の一つと伝えられる。 樹齢約400年の古木。 江戸時代始、茶人の作庭家として名高い 小堀遠州が伏見奉行を務めていた時、 御香宮を訪れ、各地で名木を見て来たが、 これほど見事なツバキは、おそらくないだろうと、 たたえた事から以来、 『おそらく椿』とも呼ばれている 樹高約4メートル 純白、ピンク、白の斑(ふ)入りと 五色の花が咲く同じ椿でも、 ひっそりと咲くことで愛される 『わびすけ』とは趣も異なり、 秀吉好みと思われる。(開花時期3月末から4月上旬)
実際は、参道から塀越しでのご覧となります。




ところがらの藤
江戸時代前期、後水尾上皇(ごみのうじょうこう)によって命名された。

ところがらの藤と、その碑文



碑文

此の藤の花を柴山の前黄門へ参らせければ
千代かけて 見るともあかじ呉竹の ふしみの宿のふじなみの花
と詠みじ給ふて猶愛給ふあまりにしかじかのよし申させ給ふて 
院の御所へ奉らせ給ひければ 
所がらとのたまはせ給ふて詠めさせたまふとなむいとかしこし
遠江守藤原久周

東湖路(ところ)がら濃(の) 君が言の葉千代かけて 春にわするなやどの藤波

(開花時期4月頃)



ソテツ
(写真は雌株)




ソテツは、南方系の裸子植物で、京都付近では冬期に覆いを施す必要があるが、 この御香宮神社のソテツは覆いなしで越冬、開花結実しており、ソテツの生育域を考えるうえで 重要な資料となっている。樹齢は明らかではないが、慶長十年(1605)の本殿建築時から それほど下らない時期に植えられた可能性もある。 なお、西株は雌株、東株は雄株である。 昭和六十一年六月二日、京都市登録天然記念物として登録された
(開花時期7月上旬)





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